オレの背中に、手が触れようとした。 迫る気配にとっさに反応して、払いのけた。軽すぎるような手応え。 「痛っ」 女の声。 しまった、と気付く。 オレに触れようとしたのは、あの優等生風の。 「お嬢、大丈夫!?」 「大丈夫、ビックリしただけ。でも、いきなり暴力的なことをするなんて。あなた、ちょっと失礼ですよ!」 小柄な女がまっすぐにオレをにらんだ。 「今のは、すまん。ただ、オレに触ろうとするな。苦手なんだ」