鈴蘭と師央にメットを渡した。


師央はすぐにかぶったが、鈴蘭は顎紐に、もたついている。


微妙に斜めになってるから、キャッチが留まらないんだ。


不器用な様子に、ため息が出る。


勉強はできるらしいが、要領は悪そうだ。


運動も苦手と言ってた気がする。



「じっとしてろ」



鈴蘭の頭にメットをかぶせ直す。顎紐を留めてやる。


首筋に触れないように気を付けた。でも、髪に触れてしまった。


うっかり鈴蘭の顔を見たら、頬が赤い。


オレにもそれがうつった。顔が熱い。