海牙がスポーツバッグを開けた。


ローラースケートを取り出して、革靴から履き替える。



理仁がキョトンとした。



「そんなもん履いて、どーすんの?」



「移動手段ですよ。今日は走る気分じゃないんでね、滑っていこうかと思います。ぼくが先行するから、ついて来てください」



海牙は革靴をスポーツバッグにしまい込んで、バッグを肩から斜めに掛けた。


ポケットからバイザーを出して装着する。



「え、ちょい待ち。海ちゃん、バイクの前を滑ってく気?」



「そのとおりですよ、リヒちゃん。ぼくの能力、披露します」