理仁が口笛を吹いた。
「モテそうなやつだね~。おれと張り合うレベル? あの大都の悲惨な制服なのに、墓石グレーが、ここまで印象変わるかねぇ?」
海牙がオレたちに気付いて、笑顔で小さく片手を挙げた。
「こんにちは。お待ちしてましたよ、皆さん」
まわりの女子が、またざわめいた。
組み合わせが奇妙すぎるからだろう。
正直な反応だとは思うが、ウザい。
「ここは人が多い。さっさと移動するぞ」
「ええ。そうみたいですね。ところで、今日は徒歩ですか?」
「ああ」
「バイクを取りに帰ってもらえます? 一緒に来てほしい場所がちょっと遠方なんですよ」



