昼休み。約束どおり、屋上への階段を駆け上がった。
手には、師央が作った弁当。
ここ半月は食生活がまともだ。
あいつが帰ったら、どうなるんだろう?
屋上の鍵は、もう開いていた。オレが最後だった。
「あっきー、鍵、閉めといて~」
理仁に言われるまでもない。
鍵を閉めてから、三人のほうへ行く。
「レジャーシート? 用意がいいな」
「理事長室からかっぱらってきたよ。毎年、教職員らで花見してるんだよね~」
ボンボンのくせに、意外にも理仁はコンビニ弁当だった。
師央の弁当をのぞき込んで、うらやましがる。
「えっと、交換します?」
「マジ? いいの?」
「どうぞ」
「やった~! 師央、ありがと~!」



