師央の言葉に、鈴蘭がピタッと足を止めた。


何やってるんだ?


振り返ると、鈴蘭は真っ赤になっていた。


色白だからか、赤面しやすいらしい。



「バ、バイクの後ろなんて、そんなの、興味ないってば! あ、憧れとか、全然、ないしっ。師央くん、変なこと言わないで!」



「鈴蘭さん、わかりやすいです」



「なな何笑ってるのっ!?」



「煥さん、すごく運転がうまいから、しっかりつかまってたら怖くないですよ」



「し、しっかり、つかまる?」



師央のせいで、オレも想像してしまった。


鈴蘭をオレの後ろに乗せて走るところを。オレの腰にしがみつく鈴蘭を。