ちなみに、族としての言い方をするのなら、バンドとしての瑪都流メンバーが幹部、という位置づけだ。


もっと言えば、兄貴が総長、オレが副だ。



「えっと、それじゃ、暴走族って誤解なんですか? でも、ケンカとか、してますよね?」



シンセの雄が、のんびり笑った。


おとなしいように見えて、ケンカは十分強い。



「こっちから吹っかけることはないよ。向こうから来られることは、けっこうあるけど。瑪都流を目の敵にしてるヤンキーが多くて」



「誤解されてケンカ売られるんですか?」