「そ、そうですね。寧々さんは、すてきです。元気で、努力家で、明るくて。だけど、寧々さんには好きな人がいるし」
「貴宏のことか?」
「お似合い、ですよね」
師央は、ふぅ、と息をついた。
貴宏が買ってきたジュースに目を落とす。
紙パックのいちごミルクだった。
「当たって砕けてみないのか?」
「本気で言ってます?」
「いや、別に」
「できませんよ。そもそも、ぼくは未来の__……ぼくと彼女では、時代が違います。一緒にいること自体、異常なんです。それは自分でもわかってるから」
師央は未来の人間。仮にそれが事実とするなら、恋なんて、確かにあり得ない。



