「気に入ってるのか、寧々のこと?」 師央は飛び上がった。 振り返ったとき、目が真ん丸に見開かれている。 「び、びっくりした! 煥さん、いたんですか? 足音たてずに近付かないでください」 「驚きすぎだろ。寧々のこと、図星か?」 「な、何言ってるんですか!?」 師央の顔が、みるみるうちに赤くなる。 へぇ、おもしろい。 オレや兄貴に似た顔立ちなのに、こんなに幼くて正直な表情をつくるとは。 師央は赤い顔のまま、口を尖らせた。