「待たせすぎだよ? 昼休み、もうすぐ終わっちゃうじゃん」
「悪ぃっつってんだろ?」
「ねぇ、タカ。次、体育だよね。師央が潜り込むのは厳しいよね?」
「あー、ちょい厳しいかな。すまん、師央」
師央が、パタパタと手を振った。
「大丈夫ですよ。次の時間は、適当に過ごしますね」
「おう。そん次の授業はどうすんだ?」
「進学科の物理に潜り込みます」
「りょーかい。んじゃ、おれら、そろそろ行くから」
「行ってらっしゃい」
寧々と貴宏は師央に手を振って、小突き合いながらバラ園を出て行った。
オレは師央のほうへ近寄った。
寧々と貴宏を見送る背中に、声をかける。



