「寧々さんが努力してる証拠、ですね」



「んー、努力かなぁ? 好きなことやってるだけ。で、好きなことで負けたくないだけ。あのね、タカも昔はやってたんだよ」



「アーチェリーを?」



「うん。けっこううまかった。いいライバルだったんだけどなぁ」



「どうして辞めたんですか?」



寧々は、前髪のオレンジ色を指に巻き取った。



「お金かかるから。アーチェリーって、道具代、すごいんだ。中学のころだったし、バイトもできないし。


結局、タカはアーチェリーをあきらめて。で、グレたんだよね。一時期、ほんと、声かけらんないくらいで。だって、あたしは続けてたし」