また何だか面倒くさいことになってきてる。
オレはうんざりして、ため息をついた。
「とりあえず、行くか」
歩き出すオレの後ろに、鈴蘭と師央がついて来る。
人垣の中にできた道は、熱気がすごい。
小声のつぶやきが、ときどき聞こえてくる。
「超カッコいい」
「イケメンすぎる」
「暴走族で近寄りがたくて」
「でも、生徒会長のほうが」
「彼女さん、うらやましい」
「生徒会、入ろうかな」
不気味だ。無防備すぎる。
好意だか好奇心だかが、駄々漏れになっている。
ここまで本心をむき出しにするなんて異常だ。
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