そういうわけで、オレと師央は安豊寺家の門の前に立った。


昨日と同じ門衛がオレたちに敬礼する。



ちょうどタイミングよく、鈴蘭が家から出て来るところだった。


広い庭を小走りで突っ切る鈴蘭の後ろに、黒服の男が二人。あれは何なんだ?



疑問はすぐに解けた。



「おはよう、師央くん。煥先輩もおはようございます。一緒に登校してくれるんですよね?」



「兄貴にそれを命じられた」



鈴蘭は、黒服二人を振り返ってにらんだ。



「というわけだから! ボディガードは必要ないから! 煥先輩は一人であなたたち二人より強いの! 学校にまでついて来ないで!」