しゅわしゅわと炭酸が弾けるような感触とともに、傷口がふさがって痛みが消えていく。 安豊寺が歯を食いしばっていた。 眉間にしわを寄せている。 「煥先輩の嘘つき。こんなに、痛いじゃないですか。傷、ズキズキして、ヒリヒリして。なのに、平気なふりしてたなんて。嘘つきです」 青い光が、すぅっと消えた。 安豊寺がオレの腕から離れた。 その瞬間、ふっと吹き抜けた夜風が、思いがけず冷たい。 「傷が、治った」 「これがわたしの能力、癒傷《nurse》です。わたしも能力者で、預かり手なんです」