いつの間にか俺も寝ていたんだろう。 ふと目を覚ますと、眠りにつくまではちゃんとあった温もりを感じられなくて、俺は勢いよく起き上がる。 ベッドから部屋中を見渡すも、その人物は見当たらなくて… 代わりに部屋に置かれているテーブルの上に一枚の紙が置かれていた。 『陸へ…』 俺はその紙に書かれている最初の一文を読みあげる。 そこには紛れもない俺の名前が書かれていて、紗奈から俺に宛てられた手紙だと知る。