歩き始めること約二十分。
私達はとりあえずこの山道を抜けようと頑張っていた。
「ねぇねぇ、なんかお茶もってない?」
「えー、そんなのねぇよ。第一ここがどこなのかわからないし、お茶なんていつももってないし。」
「やっぱりそうだよねー」
運が悪いとはまさにこういうことだろう。
こういう時に限って二人ともなにももってないし。ケータイくらいしかもってない。
ん!?ケータイ…そうだ!ケータイあるじゃん!!
「健太!!ケータイ!ケータイで誰かに連絡しよう!!」
「あ!その手があったか!」
そう言ってさっそく電話をかけようとする健太。
やっとでられる…
そう思ったんです。出られると思うよね!?山で二人とも訳わからない状態で遭難なんてありえないことだけどケータイさえあればって思うよね!?