「ま、間に合った。。」



私が学校に着いたのは午前8時25分。30分までには教室に入って席に座らなければならないから今からダッシュしたら余裕で間に合う距離




「よっしゃ。ラスト走るか!」




靴箱でスリッパに履き替えて、いざ教室へ。




ガラッ




「はぁー、疲れた」





「おやおや、学校の王子様お寝坊ですか?」




「なんだよ!ニヤニヤしやがって、それに王子様じゃねぇ!」




「なに言ってんのさ、昨日だってかわい子ちゃんにいっぱい囲まれてたじゃんよ」



「あれはメアド聞かれてただけだし」


そう私は何故か女の子にモテる。
女の子なのに女の子にモテる。なんでなのか知らないけど女の子が寄ってくるのだ、まぁこの性格のせいだと思うけどね



「ま、モテモテだもんね音華くんは♡」



「うるせぇなお前わざとくん呼びしただろ!」



「あれ?男の子だから当たり前でしょ?笑」



「お前後で殴ってやる」


「できるものならやってみな笑」


「まじでうざいって笑」



このやたらちょっかいかけてくるのは心友の希。


美人だけど気取ってなくて結構いいやつだ。毒はいてくるけど。


こいつのモテる度はまじで羨ましいくらいモテる。


その美人な顔少し分けて欲しいくらいだ


そんな言い合いをしていたら


「あ、りっくんきた。」



「あ、ほんとだはやく席に戻れよ。」



「はーいはい」



希と話していると担任の前田陸がきた


愛称はりっくん。怒ったら怖いけど若くてイケメンでそこそこ女子生徒に人気がある


それと時間にいちいちうるさい。
だから私は苦手だ。細かい男の人っていやでしょ笑



「はーい。みんなおはよう!!
突然だが今日は1年生が遠足に行っているため英語の先生が付き添いにいっているのでその時間は自習にするぞー」




あちこちからよっしゃ!とかなにする?とか早弁しちゃおっと。とか聞こえてきた
早弁って英語の時間2時間目じゃねーか。
そうとう食いしん坊なんだなー、と呑気に考えていると…






「あ、そうそう。武部と吉野自習の時間図書室に行って俺の資料もってきて欲しいんだ、お前ら図書委員だから、よろしくな!」




「えー!あたしが行くの!?やだなぁー泣」



「は!?俺だってやだし!しかもこいつと行くとかムードの欠片もねぇ!」


「なにがムードだよ!まずそんなこと考えてる時点で変態かお前は!」


「は!?変態はお前だろ!」


ゴチャゴチャ…



「お前らいい加減にしろ!つべこべ言わず行ってこい!」




「は、はぃぃぃぃ!」




なんであたしなんだよ…
しかもよりによってこいつと…




「なんでお前なんだよ!」



そんなの知らねーよ!あたしに聞くな!



あ、そーだ。こいつの事紹介しなきゃだな。




この口うるさいやつはあたしの幼なじみの吉野健太。
幼稚園からずっと一緒で高校は流石に離れるかと思っていたらまさかの一緒で、しかも3年間すべね同じクラス。こんな事普通有り得ないんだろうけど。こいつとはやたら縁があるらしい。




図書委員だってジャンケンでこいつとなってしまったし。それで希に運命の相手だ!とか言っていつもからかわれるし。




ほんとこいつとはいい思い出ない。




朝のホームルームが終わり希が私の席にくる。
これが今は日課だ。休み時間になると私か希がどちらかの席にいくんだ




「とんだ災難ですね音華さん。まさか運命の相手と一緒になるとはププッ」




「うるせぇな、運命の相手じゃないし!やっぱりなからかってくると思ったよ」



「まぁまぁ、いいじゃないの〜」





「なにそれ、もしかしてウケ狙っていったの?」




「やっぱりこのネタはダメだったか…」