「えっ、ちょっ………!?」 遠野は私の手を掴んだまま、また寝た。 え、私の手……っ。 「……起きてよ、遠野……」 遠野は、頬を触っていた手をそのまま掴んだまま寝たのだから、 私の手はまだ、遠野の頬。 下手に振り回せば、………叩いてしまう。 ……力、強いなぁ。 手首を掴む彼の手はなんだか大きくて、 離してもらえる気配なんてない。 でも、掴まれたままだと私なにも出来ないんだけど…。 そう思うのに動けないから、仕方なくその場に座った。