「来ちゃったよ、部屋の前………」 遠野が使っているのは、私が使っている部屋の隣。 耳を澄ませてみても、なにも聞こえない。 これは、完全に寝てるよね、うん。 朝ご飯を作り終えて、もう10分は経ってしまってる。 ごめん、遠野。怒らないでね。 震える手を無視して、ドアノブに手をかけた。 ガチャ…という音と同時に開くドア。 ……緊張するなぁ、ある意味。