「フェイ……」

ジェドの言う通り、俺は何もわかっていなかった。

人を愛する重さと、人は簡単に死ぬことを。

「俺は……」

その時、俺の意識はそこで途絶えた。

「もうこれ以上、一族の名を汚すわけにはいかない。悪いけどシェイドには消えてもらわないとな」

シド達は、深い森の中へと戻って行った。

「し、シェイド……」

フェイは、ジェド達の後ろ姿に向かって手を伸ばしていた。

行っちゃう……シェイドが。

だけど、フェイの意識は途絶えかけていた。

「ごめんなさい……シェイド。貴方との約束守れなかった……。だけど…、これだけは忘れないで」

フェイは、ゆっくりと瞳を閉じ、フェイの意識は途絶えた。

『私が居なくても、人を愛することだけは忘れないでーー』