「ねぇ、君は名前あるの?」

私がそう聞くと、子猫はちらっとシェイドの方を見たけど、直ぐに私の方に視線を戻した。

『まぁあったけど、名付け親である本人が呼んでくれないから、名前はない方が正しいかも』

「じゃぁ、私が付けてあげる」

名前がないなんて可哀想。

てか、名付け親ってシェイドだよね。

『リーラにつけてもらえるなら、何だって嬉しいよ!』

子猫は、嬉しそうに尻尾を軽く振っている。

か、可愛い!!

「じゃぁ、ノアはどうかな?」

「ノア?」

「うん、ノアだよ。昔お母様に呼んでもらった本に、ノアって猫が出てきの。この子がノアに似ているからどうかなって?」

もしかして、駄目だったかな?

『うん!気に入った!!ありがとうリーラ。どっかの人と大違いで優しいし』

ノアは、私の膝の上に飛び乗ると、鳴きながら頭をお腹にすり寄せてくる。