「そういえば、ここってシェイドの部屋なのかな?」

部屋の中はシンプルだったし、女の人の部屋には見えなかった。

「ということは、私男の人の部屋で寝ていたってことだよね」

そう考えると頬が熱くなってくる。

「お風呂入って頭冷やそ…」

そして、これまでの流れを確認しなくちゃ。

服を脱ぎそのまま扉を開けて、シャワーを頭から浴びた。

お風呂から上がって、シェイドが置いてくれたであろうタオルで、私は優しく髪の毛の水分を取っていた。

「これに着替えれば良いのかな?」

そこには、薄いビリジアン色のワンピースが置かれていた。

「か、可愛いかも…」

こんな可愛いワンピース見るの初めて。

辺りを見回し私の服を探す。

「あれ?ない」

シェイドが持っていったのかな?

あの服ワンピースだったけど、肩のあたりがもう血だらけだっから、もう着れないかもしれない。

ワンピースに着替えて扉を開けると、シェイドが椅子を座りながら朝食をとっていた。

「やっと来たか」

「お風呂ありがとね、それにこのワンピースも」

「べ、別に。適当に持ってくるよう頼んだだけだしな」

メイドさんたちかな?

「お前の分の朝食もあるぞ、とりあえず食え」

「うん」

シェイドの向かいの席に座って、朝食を食べ始める。

下の方へと視線を向けると、昨日いた子猫がシェイドの近くでミルクを飲んでいた。

「その子猫、シェイドに懐いてるね」

「はっ?懐かれても困る」

「シェイドって動物嫌いなの?こんなに可愛いのに」

「嫌いって訳じゃねぇよ、ただこいつがひつこいだけだ」

シェイドの言葉に何かを思ったのか、子猫が机の上に乗ってきた。

『全く黙ってれば変なことばかりいうね君は、僕はただ君の傍に居るだけだ。ひつこくなんてしてない!』

……。今この子猫喋らなかった?

「お前喋れることリーラに話したか?リーラ驚いてんだろ?」

すると、子猫がブルーの瞳で私を見つめてくる。

『驚かしてごめんね、僕はシェイドに蘇生させられた時に、話す力をもらったんだ』

「だから、話せるのね」

『そうだよ。でも、君は僕が喋る前からなんとなく僕の言っていることが、分かっていみたいだね』

「うん、私幼い頃から森の中で育ったの。だから私の友達は森の動物達で、触れ合っていくうちに、なんとなく言葉も分かるようになったの」

『そうなんだ、良かったねシェイド。話相手ができて』

「うるせぇ…」

この子名前ないのかな?

シェイドは、子猫のこと名前で呼んでいないみたいだし。