「リーラ!そこで何やってんだよ」

「し、シェイド!」

私の後ろのほうで、シェイドが怒った表情を浮かべながら私を見て来ていた。

「お、おはよう」

「おはよう、じゃねぇよ……。病み上がりがこんな所で何やってんだよ?」

「えっと、久しぶりに外の空気が吸いたくて」

ここで男の人と会ったことは、シェイドには秘密にしておいた方がいいかもしれない。

「あっそ、確かにここ数日寝たきりだったもんな」

「そ、そうそう。薬ありがとう、おかげでもう大丈夫みたい」

「そうか、なら良かった」

シェイドは、私の所へと来ると、優しく私の髪を撫でる。

「し、シェイド?!」

「お前さ………」

そういえば、シェイドに瞳を覗かれた時も、胸の辺りがドキドキしていた。

これは一体何?

「な、何シェイド?私の髪に何かついてる?」

「いや、そうじゃなくて」

「えっ?」

「髪がベタついているから、朝食の前に風呂に入れよ」

「あ……。そう言う事」

「他に何もないだろ?」

私の馬鹿!私はシェイドに何を期待していたの?!

髪を触られてドキドキするとか、本当に恥ずかしい。

しかも、ベタベタして髪をシェイドに触られた!

「わ、分かったから!もう手離して」

「わ、悪ぃ……」

「じゃぁ、部屋のお風呂借りるから、覗かないでよ!!」

「ばーか、除くわけねぇだろ。興味もないのに」

流石に私でも、はっきり言われると傷付くよ……。

「着替えとかは、後で持って来させる。ゆっくりと入れよ」

「う、うん」

シェイドは、部屋に戻ると奥の部屋へと戻って行った。

(なんか、すごいムカつく!!)

こんな気持ち、男の人に抱いたこと無いけど、なんでかシェイドにはすごいムカつく!

「いいもん、別に」

部屋の中へと戻り、私はお風呂場に向かった。