【リーラ】

「ん…………」

私は、カーテンから差し込む光に気づいて目を覚ました。

「あれ?確か私…」

シェイドに寝てろって言われて、そのまま朝まで寝ちゃってたんだ。

「そう言えば、シェイドは?」

部屋の中を見回すと、シェイドはソファの上で横になっていた。

「帰ってきてたんだ……」

隣を見ると、机の上に水と薬が置かれていた。

あと書き置きも。

『起きたら薬飲んどけよ』

私は、軽く微笑み薬を手に取って飲む。

「苦い……」

この薬って吸血鬼(ヴァンパイア)専用の薬なのかな?

「でも、シェイドが買ってきたから、飲んでも大丈夫なんだよね?」

ベッドから降り部屋から中庭へと出てみる。

「わぁ、綺麗……」

初めて外に出てみたけど、この中庭には沢山の見たことがない花が植えられていた。

「これもしかして、シェイドが管理してるのかな?」

なんか想像つかないや、でもちょっと可愛いかも。

「おい、お前」

「えっ?」

目の前を見ると、積み上げられた煉瓦の壁の上に一人の男の人が座っていた。

「誰ですか?」

「そんなのお前に名のならくても良いだろ?お前は時期に俺様の物になる」

言っていることが分らなかった。俺様の物になるってどういう事?

「まぁ、今日は顔を見に来ただけだ。元気そうで良かったよ」

「は、はい?」

顔を見に来ただけだ?

「それじゃぁ、また会おう。混血の一族よ」

「えっ?」

その時私の近くで風が強く吹いた。

(風が?!)

でも、直ぐに風は止んでしまった。

さっき居た男の人のところに視線を向けるけど、もうそこには誰も居なかった。

「誰だったんだろ?」

混血の一族ってどういうことなんだろう?

(あの人は、私について何かを知ってる?)

だとするなら、あの人の話を聞きたい。