ヴァンパイア・リーベ

「痛っ!!」

「俺がそんな事思うわけねぇだろ!それに、お前は吸血鬼たちと仲良くなりたいんだろ?」

「う、うん」

「それを、俺が叶えようとしてあげてんだよ、吸血鬼たちの中でも、まだ幼い子供もいる、そいつらの相手をしてやればいい」

「でも、子供たちに血を吸われたら」

いくら子供の吸血鬼と言っても、私の血を狙って来るんじゃ?

「それはねーわ、安心しろ」

「えええ?!なんで!!」

「言っておくが、子供の吸血鬼はまだ人間の血は飲めないんだよ、成人してからだ成人!!!」

「せ、成人してから!!」

吸血鬼にも成人なんてあるの?!

「吸血鬼の成人は十五歳、リーラが相手するのは七・八歳の吸血鬼だ」

安心した…、そのくらいの年頃の吸血鬼なら相手するのはできる。

だって、子供たちの相手をするのは楽しいし、何より子供の吸血鬼たちから関係を作っていけば、いつかは人間たちと交流が出来るかもしれない。

「じゃぁ、シェイドは二十歳ぐらいですね」

「はっ?」

「見た目的に」

私の言葉がシェイドにぐさりと突き刺さる。

「あのなぁ……、俺はこう見えてまだ十八歳だぞ!!!」

「えっ?」

ということは、私より一つ上!!

「そ、そうなんだ……」

「たく、これだから人間の目は……」

「シェイド?」

シェイドは、表情を緩めると私の顔を覗き込んだ。

「あ、あの?」

「お前の瞳、綺麗だな」

「えっ!?!」

頬が熱くなるのが分かった。

「ど、どうしたのシェイド?」

シェイドは、我に返ったのか直ぐに立ち上がった。

「な、なんでもねぇ気にするな」

きにするなと言われても、私の頭の中に残ってて、無理なんだけど。

「もう少し寝てろ、薬を貰ってくるから」

「う、うん」

「いいかリーラ!」

「えっ?」

「今日からお前は俺の者だ、他の吸血鬼たちには渡さねぇ」

「……分かってるよ……」

天国にいるお母様、吸血鬼に会ったは良いんだけど、吸血鬼の花嫁になることになっちゃった。

(大丈夫かな……私?)

ここでやっていけるか不安だけど、頑張らなくちゃ。