ヴァンパイア・リーベ

【リーラ】

体が熱い、酷く喉も乾く。

「んっ……」

私は、うっすらと目をあけ自分の体調を確認する。

「はぁ……。さっきより、風邪悪化してるのかな?」

さっきは、起き上がれるまでに体調良かったのに、今は起き上がりたくもない。

「シェイドが言っていた菌が、私の体の中で悪さしてるのかな?」

これで、本当の風邪なのか心配になって来てしまう。

「やぁやぁ、おはよう」

「えっ?」

聞き覚えのない声が、私の隣から聞こえた。

「誰ですか?」

寝返りをして、声の主の方に視線を向ける。

すると、ベッドの近くの椅子に、エクルベージュの髪の色を持つ男の人が、オールドローズの瞳を私に向けていた。

「おはよう!やっと起きたね、俺暇だったよ」

この人さっき部屋の中に居なかったのに、誰なんだろう?

「あれ?もしかして、今誰とか思ってる?」

私は、男の人の言葉に軽く頷く。

「そっかぁ、シェイドのやつ何も言ってなかったのか」

「何も言ってませんよ」

あの人、なんだか他の吸血鬼(ヴァンパイア)たちを嫌ってるように見えるし。

「じゃぁ、三男の俺であるレドが、俺たち兄弟について教えてあげる」

「兄弟?」

じゃぁ、さっき居たシドさんもシェイドの兄弟。