ヴァンパイア・リーベ

【シェイド】

「シェイド、あの女を生かしてどうするつもりだ?」

「別にシドには関係のないことだろ、あれは俺の気まぐれで生きてる」

「また悪い癖が出てきたな。あの女が生きていた頃は、気まぐれで決める判断はなくなっていたのに」

「……」

シドの言う通り、俺は昔から気まぐれでほとんどのことを判断していた。

だけど、フェイと出会ってからはそんなことは無くなった。

フェイが目で見て判断し、自分の気持ちで決めなさいと言ったからだ。

だけど、フェイはもうこの世にいない、だから俺の悪い癖が出始めて来たんだ。

ジェドとレド達に比べてシドは、何かと俺の心配をしてくる。

フェイがレドに殺された時だって、俺が目を覚めるまで側に居てくれたみたいだし、監禁中だってたまに話し相手になってくれた。

「一つ言っておくシェイド、あの女は人間だ。どうするか決めないとあの女のようになるぞ」

「……。そんな事は、俺がさせない」

もうフェイと同じ事をリーラにはしない。

いや、させないつもりだ。

あいつの血は、確に普通の人間たちとは違う。

だから、あいつを人間たちの元に戻すことは出来ない。

ならどうする?あいつを俺の側に置くにはどうすれば……?