ヴァンパイア・リーベ

「なんだよ、シド……」

部屋に入って来たのは、ビリジアンの髪の色で、瞳の色はターコイズブルーの色を持つ人だった。

「父さんがお前を呼んでる」

「なんだよ今更、俺に用かよ……」

シェイドは、シドを無視して部屋を出ていった。

「……」

そして、シドは目を細めて私を見てきた。

な、なんか見られてる……。

とりあえず軽く頭を下げる。

「……」

だけど、シドは何も言わずに部屋から出ていってしまった。

「な、何だろうあの人?」

無口で冷たい表情で、私を見てきていた。

やっぱり、人間の私は邪魔なのかな?

そう思うと悲しくなった。

人間と吸血鬼は、仲良くなれないのかな?

お母様と約束した。

吸血鬼と仲良くなること、私に出来るのだろうか?

「お母様に会いたい……」

辺りを見回すと、さっき居たはずの子猫は何処かへと行ってしまっていた。

「なんか、寂しい……」

睡魔が私を襲ってきたので、私は目をつぶって再び寝に入った。

そんな私のそばで、一人の女の人が私の髪を優しく撫でた。

「……」

女の人は、軽く微笑むとそのまま姿を消した。