ヴァンパイア・リーベ

肩からたくさんの血が流れ出してるため、私の意識が遠のいて行く。

「おい、まだ勝負は終わってねぇぞ!」

吸血鬼は、狼の一族の腹に自分の手をぶち込む。

「がっ……」

吸血鬼の爪は、狼の一族の腹を貫いた。

「その女の血に気を取られすぎだ。馬鹿だなお前は」

「ふっ……。ただ血の味見をしていただけだ……」

吸血鬼は、自分の手を引っ込めて、狼の一族は前へと倒れる。

「私が倒れた所で、人間を捕食する事はなくならい……」

「あっそ」

狼の一族は、最後に軽く笑うと、灰となって消えていった。

「邪魔物は居なくなった、さて次は」

吸血鬼は、私に近寄るとしゃがみこむ。

「おいお前、このままだと死ぬぞ」

そんなこと一番良く知ってる。

だけど、言葉が出てこない。

「嫌なこと、思いだしちまったな」

「ミャ〜」

最後に聞いたのは、子猫の声だった。

良かった、子供達や子猫が無事なら、私はここで死んでもいいや。

これで、お母様のところに行けるのだから。

そして、私の意識はここで途絶えた。