ヴァンパイア・リーベ

「お前からは、他の人間たちとは違う血の匂いがする。お前は、何者だ？」

「そ、そんなこと言われても分かりません！血の匂いが違うって事も分かりません！」

あの女が、他の人間たちとは違う？

確かに、あの女の血の匂いは、他の人間たちとは違う血の匂いがする。

「だけど私は普通の人間です！」

女は、狼の一族を睨みつける。

「そうか、まぁ別にいいが、お前はここで私の餌になるのだ。その血の味、たっぷりと味わらせてもらうぞ！！」

そして、ついに狼の一族は女に飛びかかった。

「っ！」

女は、黒猫を庇いながら瞳を閉じた。

「馬鹿かあの女」

黒猫を庇ったって、自分が死ぬだけなのに。

俺は、爪に力を入れ斬撃を狼の一族に向かって放った。

「ぐっ！」

斬撃をくらった狼の一族は、少し離れた木々へと飛ばされた。