「ど、どうしたの?」

「こ、怖いよ!!」

私は、広場の中を見回す。

すると、広場の入口に悲鳴をあげる女性が見えた。

「皆は、今すぐここから離れて」

「でも、リーラは?!」

「私は後から行くから、みんなをお願いねシア」

「う、うん」

子供達は、シアの呼びかけで広場から出ていく。

「あの人、どうしたのかな?」

「い、いやぁぁぁ。いやぁぁぁぁ」

女性の悲鳴はどんどん酷くなっていく。

「どうしたんですか!大丈夫ですか?」

私は、ゆっくりとその女性に近寄る。

「く、来る…な!」

女性は、私の方へとゆっくりと振り返った。

「ひっ!」

私は、女性の顔を見て後ずさる。

「狼の一族(ヴォルフ)……!」

その女性の顔つきは、狼の一族そのものの姿に見えた。

だけど、何でここに狼の一族が居るの?