「この間も来てたよな」



「深音と叶音にベタ惚れなんだもの。

……あ、お父さんも来るらしいわよ」



「お前の親って、深音と叶音のことすげぇ気に入ってるだろ。まぁ、嬉しいけど」



しばらくあやして、叶音をベビーベッドに優しく寝かせる。深音は大人しく絵本を読んでるからいいか、と、羽歌に近づいて。



「羽歌。疲れたから癒して」



後ろから抱きしめて肩に顎を乗せたら、羽歌は振り返って「引っ付かないで」なんて言ってくる。冷たいなおい。



しかもそれから振り向いてくれねぇし。おいコラ俺のことも相手しろよ。




「キスして、羽歌」



「子どもの前よ」



そういえば、深音も叶音もすげーかわいいけど。羽歌もさらに美人に拍車がかかった。ついでに冷たさにも。



「お前、最近俺のこと放置しすぎじゃね?

いい加減俺も構ってくれないとつまんねぇんだけど」



「待っ、服に手入れないでよ……っ」



かあ、と赤くなる羽歌の頬。そんな簡単にやめてやるわけもなく、しばらくそのまま攻防を続けていたら。



「っ、や、ほんとだめ……」