──……



「羽歌、」



優しく頬に触れられて、どことなくふわふわした感覚から、離れていく。



「い、ずみ……?」



「髪乾かしとけよって言ったのに寝てるから。寝るならちゃんとベッド入って寝とけよ」



「……うん」



もぞもぞと動いて、ベッドの中に潜り込む。すこしして電気が消えて、隣に和泉が入ってくる。




「動き回ったから疲れたんだろ」



「たぶん、」



「もう寝とけよ」



ふっと彼が笑って、優しく抱きしめてくれる。目を閉じて胸に顔をうずめたところで、ふととあることに気づいた。



「……和泉」



「ん?」



「……やっぱり、大丈夫。なんでもない」