「……結局、こうなってるわけだし」



眠る羽歌の頭を撫でて、軽くキスを落とす。身をよじった羽歌が、幸せそうに俺に擦り寄ってくるから、自然と笑みがこぼれる。



「愛してる」



岬が言ってたように、昔から好きだったのかもな。羽歌のこと。気づかなかっただけで。



それを自覚していたら、羽歌は咲乃と付き合うこともなかったかもしれねぇし、はたまた俺らの関係が壊れてたかもしれない。



どれが正解だったのか。



今もまだ、わかんねぇままだけど。




「おやすみ、羽歌」



俺がお前を選んだことに、何一つ間違いはねぇから。だから安心してそばにいろよ。



「ん、いずみ……」



起きたのか、とのぞき込むけど、羽歌のまぶたは閉じたまま。



「……だいすき」



寝言で彼女が口にしたその言葉。

起きてるときには言ってくれない羽歌の本心に思わず口角を上げた俺は、羽歌を抱きしめて目を閉じた。



──その翌日、朝から羽歌にすげぇ怒られたのは言うまでもない。



【End】