「結局お前は、こうなるまで……

俺のことを頼ってくれないんだな」



「っ、だって、」



「お前はこうやってすぐ無理する。

いい加減、自分が強がりって認めろ」



「……和泉」



「ん?」



「ありがと……」



ぎゅ、と、私を抱きしめる腕の力が強まった気がした。

優しくて助けてくれる、こんなに頼りになるいとこを持った私は幸せ者だ。




「どうせ、晩飯食ってねぇんだろ。

準備してやるから、ちょっと休んどけ」



「作ってくれるの?」



「ん。簡単なものだけどな」



「ふふっ、和泉の手料理ひさしぶりで嬉しい。

そういえば、渡すものって?」



本来の用事を思い出して口にすれば、彼は「あー、それは」と言葉を濁した。



「言い訳、だな」



「……はい?」