「な、んで」



「んー、時間あったから迎えに来た」



「や、でも私……」



「あいつらんとこ行くんだろ?」



こく、と頷く私に、彼はふっと笑う。それから、ぽんと頭に手を乗せてきた。



「今日は、心響の関係者ばっかり集まる日なんだと。ハチたちも行ってるし、佐原も梓が呼んだらしい」



初耳なんですけど。昨日も行ったのに、そんなこと聞かされてなかったんですけど。




「じゃあ、和泉も行くの?」



「んー?彼女の護衛しないとな」



さらっと、恥ずかしげもなくそう言うから、私の方が恥ずかしくなる。

何も言えなくなって頷いた私の手を自分の手とつないだせいで、余計に女の子たちの声がうるさくなった。



「あ、あと。もう1個用件」



「へ?」



「先輩っ……!和泉さん!」



パタパタと、駆け寄ってくるその子に、「あ」と声が漏れる。そっか。心響関係者は私の学校にもうひとりいたんだった。