「色んなヤツ傷つけた分、色んなヤツの

本音もわかった。それで十分だろ」



「和泉……」



「お前が岬と付き合ったら。

岬は幸せになれるけど、その分だけ岬はお前を縛ってることで傷つく。お前は岬を好きになるかもしれねーけど」



──今すぐは、無理だろ。



「……そう、ね」



「俺がどれだけ幸せにしてやれるかは、わかんねぇけど。

あいつらの分まで、幸せになってやろう」



うん、と小さく頷く。想ってもらえた分だけ、選んだ私には幸せになるという責任がある。




「……和泉」



「ん?」



「好き」



「……ばーか」



「和泉は?」



「……好きだ」



小さく笑って、体を彼の方に向ける。さっきまで眠れなかったのに、このままだとよく眠れる気がする、なんて思いながら、ゆっくりと目を閉じた。