「ねぇ、岬。

夕咲はどこ行ったの?」



「さぁな。俺に聞くなよ」



「えー、どこ行ったんだろう……」



……あれ。



「咲乃は……!?」



「今さらかよ。あいつなら、夕咲とどっか行ってくるって」



「へぇ~。

……って、やっぱり夕咲の居場所知ってるんじゃないの!?」




なんで教えてくれないの!



なんて思っていたら、あっという間に目的地について。なかに入れば、エアコンで調整されているのか、適温で涼しい。



もう慣れたルートでエレベーターを使って上にあがると、同じドアが並ぶ中、廊下に見慣れた姿がある。



「こんにちは、和泉さん」



「よっ。学校お疲れ」



笑ってくれる彼に、もう3日言い続けてきた言葉を投げかける。──今日で、4日目だ。



「羽歌、目覚めた……?」