「お前、妹より気強ぇだろ」



「まぁ、そうね。羽紗よりは強いわ」



「だからお前の方なんだよ。

すぐ泣くような気の小さい女は嫌いだ」



「そういうこと。

確かに私は気が強いし、そう簡単に屈するような性格じゃないものね」



「だろ?

そんな女の方が傷つけ甲斐がある」



「あなた、いい性格してる」



「それはどーも」




くくっと笑う彼に、あと何分?と問えば、20分と短く返事が返ってきた。



間に合う、かしらね。



「ちなみに、私のこと傷つけるって何をするつもりなの?」



「何って?」



「だから、どうやって私を、」



言いかけたけど、ぐっと肩を押されたことで思わず言葉を呑み込んだ。そうすれば、私を見下ろした彼は不敵に笑って。



「こういうこと。

言わなくてもわかるだろ?」