──だからこそ。



ふたりのようになりたいと、思ったんだろう。彼が好きなのは、私の大好きなお姉ちゃんなんだけど。



「羽紗?入るわよ」



「あ、はーいっ」



先に歩いていた羽歌に引っ付いて、腕を絡ませる。一瞬「なに」と言いたげな顔をしたけど、羽歌は何も言わなくて。



「えへへ、大好きっ」



そうやって笑ったら、羽歌は呆れながらも笑ってくれた。うん、大好き。




「晩ご飯は、羽歌のご飯がいいなっ」



「なに食べたいのよ」



「羽歌のご飯ならなんでもいいよー。

んーと、でもリゾット食べたいなぁ」



「好きね、リゾット。

軽く部屋片付けたら、あとで買い物行きましょうか」



「やった……!」



ちょうど最上階についたエレベーターから降りて、玄関から中に入る。

わたしは苦手だけど、羽歌が綺麗好きなおかげか、ひさしぶりの家はかなり片付いていた。



「私が掃除機かけるから、羽紗はその大荷物をちゃんと片付けてきなさい。

終わったら、声かけてね」