──河内 夕咲(かわち ゆさ)。
彼は、的場 乃唯、久留米 稀沙、
堅田 岬に続く、心響の幹部で。
身代わりの姫として私がここに連れてこられたとき、色々と話を聞かせてくれて、一番に打ち解けたのが夕咲だった。
マイペースで猫みたいな性格なのに、女の子にとっても優しい夕咲のおかげで、私はここにいる。
幹部の中で、きっと私は夕咲に一番懐いてると思う。
「お利口さんにしてたか~?」
「うんっ、あのね、
岬がオーナーのところに連れていってくれて、」
夕咲にさっきまでのことを話せば、「よかったな~」と頭を撫でてくれる。
「岬の割に、優しいじゃねぇの」
「お前は俺が女にも奢らねぇような男だって言いたいのか?あ?」
「いつもはそうだろ~」
岬が、夕咲の言葉に口をつぐむ。
それから、「俺はアイツしか信じてねーんだよ」と言うと、イヤホンをはめて音楽を聴き始めた。
「ふふっ、岬は子どもだからね」
「違ぇからな稀沙。変なことコイツに吹き込むな」



