「岬、っ」
「あーもー、静かにしてろよ」
「ちょ、っん……」
「集中しとけ」
塞ぐようにキスされて、何も言えなくなる。私をキスで黙らせた岬が、再び私の首筋に顔をうずめて。
「っ、だめだって……」
自然と息が上がることに恥ずかしくなりながら、身をよじろうとしたときだった。
「岬くーん。リビングで何してんの」
ぴた、と。甘く流れるような声に、岬の動きが止まる。──自然と私たちがそちらに視線を向けると。
「……オーナー、に、葉月さん」
「っ、ハチさん……と、和泉さん」
タイミングが悪すぎる。
ハチさんや和泉までいるとは思わなかったのか、咄嗟に岬が私の上から退いた。
──こんなところを見られるなんて、恥ずかしすぎる。助かったけど恥ずかしい。
というか、なんでこんなところにいるんだ。葉月さん、彼女と予定あるんじゃなかったの?