「あとで俺が聞く。
──だから、もう正直あいつらと関わらないで欲しい」
「………」
「咲乃は元彼で、乃唯はお前のことが好きで。羽紗も帰ってきて……。
あいつらと関われば、また何か起こるかもしれない。それに、俺の個人的理由だけどお前がほかの男のとこに行くと困る」
「……ふふ」
馬鹿ね、と笑ってしまう。でも、彼の言うことは間違ってるわけでもないし、素直に言うことを聞いておく方がいいのかもしれない。
「わかった。もう、関わらないから」
「ん。それ聞いて安心した」
彼の唇が優しく髪に触れて、思わずまぶたを伏せると、体が傾いたのがわかった。──そして。
「、っ」
目を開けると視界に入るのは天井と岬だけで。──首筋に顔をうずめられて、一気に恥ずかしくなる。
「っ、待って、」
「無理」
いや、無理って言われても困るのよ。だって、離れてくれないと心臓が鳴り止まない。──本音を口にしてしまいそうになる。
それに……このままだと、この後どうなるのか嫌でも予想がつく。そんな心構え、できるわけもないのに。



