【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-




和泉が、「は?」と言いたげな顔をした。──言いたいことは、痛いほどわかるけど。でも、事実なんだから仕方ない。



「そ、んなことねぇだろ。

お前の勘違いじゃねーの?」



「……それならいいけど、ね」



人前で泣くことなんて泣くて。ましてや、あんなに泣き崩れたのは生まれてはじめてかもしれない。



それを見られたことが少し恥ずかしくて俯くけれど、和泉はそんなこと気にもしていなくて。



「勘違い、だろ。

ちゃんと確かめたのか?」



「事故ならいいけど、ちゃんと触れてたから」




──何かをした拍子に、キスしてるように見えたとか、そんな甘いものじゃなくて。



ちゃんと触れていたのを見た。



だから、こんなにも胸が苦しい。



「勘違い、だろ……?

じゃねぇと、俺……」



──きっと、私が気づいたのは遅かった。もっと早くから、ふたりは〝そういう〟関係だった。



だから。



「──咲乃。

心響の出入りを禁止する」