澪がわずかに目を見張って、それから涙を目に浮かべて笑った。写真の中の澪と同じように、幸せそうに。



「今年もちゃんと贈るからね」



「ん。じゃあ楽しみにしてる」



「彼女さんと、仲良くね?」



仲良く、な。澪の家を出たらオーナーのとこ行って、そこから連絡するか。──なんて考えながら、澪に「ああ」と答えたときだった。



「今度は、岬の大事な彼女さんも連れてきて」



「んー、気が向いたらな」




そう言うのは口だけで、実際はちゃんと連れてくるだろうけど。──だって、俺と澪は幼なじみだから。



「私ね、もう少ししたら子どもが産まれるの」



「……マジで」



目立たねぇから気づかなかった。



「うん。

だから、また産まれたら会いに来てくれる?」



「当たり前だろ?

──俺ら〝幼なじみ〟なんだから」



だから、もう。迷うことなんて何もねぇだろ。俺も澪も、ちゃんと笑ってる。

──何よりも、幸せの証拠だ。