「え、と……ショッピングモール」



『話、あるから今から会えるか?

和泉さんと一緒なら後でもいい』



「っ、」



どうする、べきなんだろう。



なんとも言えなくて視線をさ迷わせると、和泉が「行ってこい」と笑ってくれた。



「え、っと……今からで、大丈夫よ」



『わかった。迎えに行けばいいか?』




──迎え。そう言われて咄嗟に口を開いていた。せめてもの、足掻き。



「ううん……私が行く」



『わかった。オーナーのとこまで来れるか?あ、ひとりはダメだからな』



「わかってるわよ……

じゃあ、また後でね」



電話を切ると、目の前で車のキーのリングに指を通して遊ぶ彼に告げる。



「──向き合って、くるから」



「ん。送ってく」