「……ん、」



うるさい電子音に、目が覚める。薄ら目を開けると、眩しい光が目に飛び込んできて。優しい声が隣から聞こえてきた。



「悪い……起こしたか?」



あまりのまぶしさに目が開かないけれど、ゆっくり目を開ける。ぽんぽんと頭を撫でられてようやく視線を向けると。



「目覚まし時計……?」



「昨日間違ってスイッチ入れてたらしい。

ごめんな、まだ眠いだろ」



小さく頷いて、和泉に寄り添う。眠気によって自然と重くなるまぶたを、抗うこともなく素直に閉じた。




「眠いか?」



「ちょっと眠い……」



「ん。なら、もうちょっと寝てていいぞ」



優しいな、と思う。



和泉の手が私を引き寄せれば、感じる体温が温度を増す。というかまだ夏。暑い。



「喉かわいた……」



「ん、水とってくるから」