「──あ、そうだ。

さらっと流したけど、岬がどうしたの?」



「え」



やばい。直感的にそう思った。思わず口走ったけれど、付き合ったって言ってもいいんだろうか。



「だって、岬のおかげで──」



「──付き合うことになった」



稀沙の声を、遮って。



落ち着いたように、岬が告げた。




「え、」



「まじで~?」



みんなが驚いたように私と岬を見比べてくるから、こくりと無言で頷く。



「あ、あのね……

さっきはごめんなさいっ」



あの場を逃げてしまったこと。謝ると、彼らは「別にいいよ」と気にしてなさそうに許してくれた。



──そうだ。もうひとつ、言わなければならないことが私にあるじゃないの。



「乃唯っ、」