「じゃあ、バイバイ! スマホありがとう」 それだけ言って階段を駆け下りる。 もう少し、可愛いことが言えればいいんだろう。 心配だよ、とか。 あんな冗談みたいに言うんじゃなくて、ちゃんと慰められれば良いんだろう。 だけどあたしはそんなキャラじゃないし、そんなことできないし。 それにあたしは、篠宮くんに馬鹿って言われてる時の方が、なんていうか、好きだった。