「これ、忘れたでしょ」 そう言って篠宮くんが差し出したのは、あたしのスマホだった。 「あ…」 「帰ったかと思って焦った」 「あ、ごめんね!探してくれたの?」 「別に、あんた携帯依存してそうだし」 「そんなことないよー」 白いカバーのスマホには、少しだけ篠宮くんの温もりが残っていた。